Tyron社は、パンク・バースト・弾道攻撃時においても安全な走行を可能にする、組立式天然ゴム性ランフラットとマルチバンドの両方を開発しています。 エンドユーザー・車両OEMとの広範囲に及ぶ議論・試験を経て、設計を行いました。
合成物質ではなく、なぜ天然ゴムなのか?
ランフラットはどのように機能するのか?
天然ゴムには、3つの重要な利点があります。
第一に、天然ゴムは、縁石・くぼみ・過酷な環境下での走行から発生する衝撃を吸収します。天然ゴムは、ランフラットを通じてホイール・軸・駆動軸への振動とストレスを劇的に減らし、車両の操作性をほぼ損ねることなく、運転手と乗客への快適性を維持します。
天然ゴムは、規格に準拠した素材であり、ランフラットとタイヤの内側とのインピンジメントから発生する損傷を防ぎます
少し分かり難いかもしれませんが、合成物質ではなく天然ゴムを使用する3番目の理由は“ビードロック”に関係があります。
ホイールのフランジに対してビードに適度な圧縮(ビードロック)がなければ、車両は進むことが出来ません。空気の抜けたタイヤに“引っ張られる”だけで、平地でさえホイールはタイヤの中で空回りし、障害物や丘を登ることはもっと困難になります。
なぜビードロックに合成ゴムや硬い素材を使用しないのか?
答えは、ホイールとタイヤの製作公差にあります。ミシュラン社によると、全ての20インチ軍用タイヤにおけるビードの公差は±3mmであり、ビード全体の差異は12mm、これにホイールの公差を加えると、差異は最大で20mmになります。
合成ゴムのランフラットの幅は、その公差の範囲内で製造されなければならず、そうでなければ取付け中にランフラットは傷つくか、もしくは適切に密閉されず、タイヤがホイールを滑るのを防ぐ適切なビードロックを保証することが出来なくなります。
しかしながら、天然ゴム性ランフラットの幅はこれらの公差を超えて製造されます。天然ゴムの柔軟性によって取り付けが可能になり、ビードがホイールのフランジに押し付けられ、ビードロックが保証されます。
2008年Tyron社は、世界発の“全地形対応天然ゴム製ランフラット(ATR)”を開発しました。特殊な道具や高価な油圧プレスを使わずに、軍車両用割りリムに取り付けることが出来るランフラットであり、オフロードで優れた性能を発揮します。防弾試験と、時速100km以上での移動が可能であることを実証する試験にも合格しました。
どのようにマルチバンドは機能するのか?
Tyronマルチバンドはタイヤのパンク・バースト時にタイヤをホイールリムに固定させるので、運転手は車両をコントロールでき、事故・怪我の危険性を抑えながらタイヤを交換する場所・援助を求める場所まで安全に移動することが出来ます。
軽量のため消費燃料・アクセル・ブレーキに影響はなく、稼働する部品もないのでホイールのバランスにも影響はありません。メンテナンスの必要はなく、取付けるだけで、車両と搭乗者の命を守ります。
なぜ摩擦シールドが必要なのか?
摩擦シールド潤滑油システムにより、世界で唯一の組立式天然ゴム性ランフラットの性能を向上させることが出来ます。摩擦シールドの特長は、密閉された潤滑油システムで乾燥や汚れを防ぎます。ランフラット自体に取り付けるので、タイヤ交換時に取り付けを忘れることはありません。タイヤのパンク時に袋が破れ、適量の潤滑油を供給し、ランフラットとタイヤの内側の摩擦で発生する熱を減らすことで、タイヤへのダメージを防ぎます。従って、車両は長距離を高速で走行することが出来ます。
潤滑油を忘れてしまうと、ランフラット性能が90%劣化することもあります。